ペリペリ剥がれるレリック塗装(マルチレイヤー)

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先日失敗した(思ってたんと違うかんじになった)マルチレイヤーレリックですが、

それなりに上手く行きました。

塗装の剥がしたい層で塗装をはがせるようになったので報告をしたいと思います。

 

 

まず、根本的に何をしたのか。

 

恥を忍んで先生にアドバイスを頂きました。それはもう業界では超有名、知らない人居ないくらいの方に恐れ多くも電話してアドバイスを貰いました(爆)

 

先生談、

缶スプレーのラッカーって剥がれやすいよね。

なんでだと思う?

シリコンが入っているからだと思うんだ。

 

ということでした。

 シリコン

シリコンということ、自作のシリコンラッカーを調合してみることにしました。

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 このシリコンコーティング剤は金属を保護する透明な塗料みたいなものです。

手元にこれがあったので、これとラッカーを調合して吹いて、その上からラッカーを吹いてみました。

 

 

 

うまくいきませんでした。

 

混合比もあると思うのですが、上に吹いたラッカーが弾かれてしまいキレイに塗れませんでした。

また、この剤のみを吹き上にラッカーを吹いたときの剥がれ方がこちらです。

 

剥がれ過ぎです(汗

 

というわけでうまくいきませんでした。

 

次に実験したのが、

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シリコーンオイル KF-96-50cs 1kg

シリコーンオイル KF-96-50cs 1kg

  • メディア: Tools & Hardware
 

さっきと同じ缶ですが、中身が違います。こっちはシリコンスプレーの中身みたいなものです。

最近は車のボディにぬるとキレイになるとかで流行ってますね。

 

実験中の動画

 

ようはシリコンオイルです。

ただ、この子を吹いて濡れた上からラッカーを吹いてみたのですが失敗しました。

流石に脱脂不足もいいとこです。

 

でこの子をラッカーと混合し高濃度シリコンラッカーを作ろうと考えました。

 

ラッカー塗料をカップにいれて、この子を入れて、ラッカーシンナーを入れて・・・・

 

スライムができました。

 

 

 

 

スライムができました・・・・

 

 

だめだ、液体にならない!

 

ここで、ふと思う。

 

ラッカーシンナー以外ならいいんじゃね?

 

ペイント薄め液だとラッカーは溶けないから、ラッカーが溶け、シリコンが固まらない希釈剤・・・

 

 

 

 

 

 

 

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GSIクレオス Mr.レベリングうすめ液 特大 400ml T108
 

色々と試した結果、ミスターカラーのレベリング薄め液で液状にすることができました。

ただ、ちょっとずつ薄めるイメージで混ぜて下さい。一気に入れるとラッカー塗料の元から入ってるシンナーに反応してシリコンが固まります。

 

比率はクリアラッカー7.5:シリコン2.5くらいです。それに粘度がいい感じになるくらいレベリングうすめ液を入れて下さい。

 

そして調合した塗料を剥がしたい層の上に吹きます。

今回で言えはサンバーストの上のクリアラッカーの上。

 

吹くとどうでしょう、シリコンが垂れます。

ビビってはいけません、全体にラッカーが付着するのを確認しながら(シリコンを垂らしならな)吹き続けます。

 

一日置きます。

 

シリコンは乾燥せず、ラッカーのみ固まっている状態になると思います。

 

そしてここからが時間のかかる工程ですが、カラーを乗せます。

 

それもパー吹き(ほんの少し色を乗せる程度)で塗り重ねていきます。

パー吹きしたら30分放置を繰り返して色を乗せていきます。

非常に面倒です。しかし一気にラッカーを乗せるとシリコンで弾かれてしまいます。(スーパー脱脂不足な感じ)

根気よくラッカーを乗せていきます。

そしていい感じに色をのせ終わったら1週間放置します。

 

放置後脱脂をします。

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 僕はプレソルを使いました。プレソルは少しラッカーを犯すけど少しなら大丈夫です。

 

合計3回くらい脱脂します。ここでの脱脂は重要です。

 

脱脂が終わったらクリアを乗せていきます。

僕が普段使っているクリアは硬すぎてレリックには使えなさそうでしたので、

 

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 を使いました。1本と少しくらいでボディ1つくらい吹けそうです。

 

恐らく、このクリアもカラーに弾かれながらぬることになると思います。

パー吹きを繰り返して塗っていきます。

1枚シリコンが入っていないラッカーの膜ができると厚く塗り重ねることができるので慎重にですが塗り重ねます。

1週間放置します。

 

 

そして、恐らくですが、塗面は荒れていると思います。

それを厚く塗ったラッカーを削って面を出していきます。

サンディングペーパー#400〜2000で仕上げます。

塗り方が薄かったりするとサンディングでカラーごと剥がしてしまうので注意です。

レリックですので多少でしたら挽回できます。

そしてコンパウンドで仕上げて鏡面にします。

 

で、レリックです。恐らくペロペロとは剥がれず、ブチブチという感じで剥がれると思います。

任意の層で剥がすことができましたら成功です。

 

以上になります。

 

 

これが正しい方法なのかと言うと正しくは無いと思います。

でも間違いではないとも思います。

正しい方法を教えて欲しいくらいですが・・・

 

こんな感じのレリックで!と頂いた写真はカスタムショップのレリックでした。

じゃあカスタムショップがこれと同じ方法でやっているかと言われれば絶対やって無いと思います。

どうやっているのか、知りたいですね・・・

 

この方法のデメリットはサンバーストの上に調合したシリコンラッカーを吹くわけですからその層ではがすとサンバーストの光沢が出にくいことだと思います。

コンパウンドで磨いてもいいのですが、レリックの問題で塗装の間がいい感じにならないので、あまり磨くのはおすすめしません。

 

というわけで以上が研究結果と報告になります。

アドバイス、ご意見を頂いた皆様大変ありがとうございました。

塗装の剥がれ具合は動画でぜひ御覧ください。(集中してたので少なめですが)


Fender Custom Shop ストラトキャスターリフィニッシュ&レリック マルチレイヤー/Stratocaster Refinish & Relic Multilayer Sunburst